[オススメ]カタストロフと美術のちから展 内覧会とレセプション(六本木/森美術館)

カタストロフと美術のちから展 オノヨーコインスタレーション

東京の六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展のカタストロフと美術のちから展が10/6より始まりました。前日夜の内覧会とオープニングレセプションに参加させていただき、一足先に展示を見てきました。この展示は展示開催までの1年間、参加作家の方などのプレディスカッションも行われてきました。

カタストロフと美術のちから展のコンセプトは

森美術館では10周年などのタイミングで重要な展示をキュレーションしていますが、今回のテーマはカタストロフ。

東日本大震災やアメリカ同時多発テロ、リーマンショックなど世界各地で絶えず発生するカタストロフ(大惨事)。多くのアーティストがこのような悲劇的な災禍を主題に、惨事を世に知らしめ、後世に語り継ごうと作品を制作しています。その私的な視点による記録は、マスメディアの客観性を重んじる記録とは異なり、多勢の世論の影に隠れて見えにくくなったもう1つの事実を私たちに提示します。そこにはまた、社会の矛盾や隠蔽された問題の可視化を意図するものや、個人的な喪失や悼みを表現するものもあります。

カタストロフは私たちを絶望に追い込みますが、そこから再起しようとする力は想像力を刺激し、創造の契機となることもまた、事実なのではないでしょうか。東日本大震災以降、国内外の数多くのアーティストが復興・再生への願いを込めて理想や希望を描き、より良い社会のために新しいヴィジョンを提示しようと試みています。

戦争やテロ、難民問題や環境破壊など、危機的な問題が山積する今日において、美術が社会を襲う大惨事や個人的な悲劇とどのように向き合い、私たちが再生を遂げるためにどのような役割を果たすことができるのか。本展は、負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかけます。
(森美術館サイトより抜粋)

東京オリンピックを目前に東日本大震災の事が忘れられそうなこのタイミングに振り返らなくてはいけないテーマだと思います。

展示でオススメの作品とみどころ

まず展示室に入り最初の作品は、一見すると瓦礫の山ですがよく見ると紙などでできています。特定の災害をモチーフにはされていないので、東日本大震災のようでもあり、他の災害のようにも見え、時代や個の体験によっても結びつく記憶は異なるでしょう。災害全体を俯瞰しカタストロフ/破壊と再生を象徴するような作品から始まっています。


ジリアン・ウェアリング 左:《自分の人生つかみきれない!》 右:《絶望的》、街行く人に心のなかの言葉を書いてもらっています。一見スーツを着て幸せそうに見える人でも内面に抱えているものは異なることをこの作品は象徴しています。


こちらは北京オリンピックで鳥の巣の競技場を設計したことでも有名な艾 未未(アイ・ウェイウェイ)の作品。

オノヨーコのインスタレーション。期間中展示を見に来た人が言葉を書いて作品が完成していきます。内覧会なのでまだメッセージも少ないのですが時間の経過ごとに変化していく様をチェックしたくなります。他の方がかいた言葉の一つ一つにある思い想像してみたり‥
こちらはぜひ参加してほしい作品です。

友人も私も(一番上の写真)インスタレーションに参加してきました。


Chim↑Pomの映像作品《REAL TIMES》。Chim↑Pomも原発事故が起きてすぐに作業員として福島第一原発で作業しながら作品化しています。原発を前にレッドカードを掲げる写真も有名です。

写真はありませんが、トーマス・デマンドのコントロールルームも好きな作品。一見本当の室内に見えますがどこか違和感を感じよく見ると‥。
デマンドはモチーフを紙をつかいリアルに再現します。現実のようで現実でないその違和感から問題を深く意識させるような表現手法です。

現在同様のテーマでの作品制作を進めているのでとても刺激となる展示でした。

出展作家は40名を超えてとてもボリュームのある作品数に、映像作品も1時間を超える作品もあり、時間を作ってゆっくりとみたい展示です。
2018.10.6(土)~ 2019.1.20(日) と期間はたっぷり!。

レセプション

レセプションでは南條館長のご挨拶、展示担当キュレーターの近藤さんのお話やアーティストのご紹介など展示に関係している方の声を伺える機会は貴重でした。

森美術館
〒106-6108 東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー52階、53階
時間:
金曜日 10時00分~22時00分
土曜日 10時00分~22時00分
日曜日 10時00分~22時00分
月曜日 10時00分~22時00分
火曜日 10時00分~17時00分
水曜日 10時00分~22時00分
木曜日 10時00分~22時00分

森美術館公式サイト