森美術館 [塩田千春展:魂がふるえる] – 癌闘病を経ての大規模展を観て

森美術館[塩田千春展:魂がふるえる] どこへ向かって

森美術館[塩田千春展:魂がふるえる]内覧会とオープニングレセプション参加

森美術館でベルリン在住の現代美術家塩田千春さんの大規模展示が始まりました。前日の内覧会とレセプションに伺い作家をはじめ関係者の方の話を伺い展示を観る機会をいただきました。日が経ってしまいましたが展示の様子をブログに書きました。

塩田 千春さん-プロフィールと特徴

塩田千春さんご挨拶

塩田 千春(しおた ちはる)さんは、大阪府岸和田市出身で、京都精華大学洋画科卒業。1993年からオーストラリア国立大学(ANU)キャンベラスクールオブアートに交換留学生として留学されました。
その後1996年にハンブルク美術大学(HfbK)に入学、1997年から99年までブラウンシュバイク美術大学(HBK)にてマリーナ・アブラモヴィッチに師事、1999年から2003年までベルリン芸術大学(UDK)にてレベッカ・ホーンに師事する。現在ベルリン在住の現代美術家で、京都精華大学客員教授でもあります

不在の中の存在や身体との境界などのテーマが特徴で、糸とオブジェクトを使ったインスタレーション作品が代表的、他にパフォーマンスの映像作品なども。日本国内では2015年の第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館で展示された日本の代表的な現代美術家の一人として知られているのではないでしょうか。

塩田千春展:魂がふるえる 展示と作品の紹介

塩田千春展:魂がふるえる展示と主な作品を簡単にご紹介します。

[どこへ向かって]
森美術館に入るエントランスの吹き抜けの作品。今回も塩田さんがよくモチーフに使う舟が登場するが、ワイヤーで表現された舟が使われている。ベネチアビエンナーレでは実際にベネチアで使われていた舟を使用したり鍵を結びつけて具体的なテーマと密接な関係性をもつモチーフを使っているが、ワイヤーによって抽象化した舟によって未来や人生や展示タイトルの魂などより抽象的テーマを連想させるようです。

[手の中に]
子どもの両掌と造形物。命や心を表しているような印象を受けます

[不確かな旅]
一番初めの展示室の作品。こちらもワイヤーで作られた舟。不確かな旅というタイトルからは不確定な人生を表しているようです。塩田さんの作品は空間を覆う糸が醸し出す印象も大きいのですが、床に映り込む空間の影も美しい残像となっていて、見えなものを表現した”見える糸たち”により紡ぎ出される空間のさらに底にある存在も感じさせるようだ。

[静けさの中で]
幼少期の隣家で起きた家事の記憶からインスピレーションを得て制作させた作品。燃えたピアノと並べられた椅子を繋ぐ黒い糸が演奏されていないピアノから発せられた音とその場に不在の人の意識を印象付けている。

[時空の反射]
鏡によってうつされたドレス。塩田さんは洋服を使ったインスタレーションも初期からたくさん制作していて身体との関わりというテーマ性も感じさせる。虚と実の混在

[内と外]
ベルリンの壁の崩壊から15年後の2004年頃から再開発が進んだベルリンの不要となった建物の窓を集めて作られました。

[集積―目的地を求めて]
展示室の入り口から徐々に上に向かって設置されたスーツケースたち。スーツケースが赤い糸で吊るされてまるで空につながる川のように設置されています。空間の中でスーツケースが揺らめいて様々な人生が関わり合いながらそれぞれの向かう先に進んで行くような印象を受けます。

この作品も壁や床に映り込む影も不在を表現した作品の一部のように思える

インスタレーション以外の作品

この展示では塩田さんの日本の美大在学時代からオーストラリア、ベルリンの美大時代の作品をパネルで追っています。塩田さんが初めてインスタレーション作品を制作し海外の大学で学びながら作品の展開が変遷し深まって行く様は一見の価値があります。

オープニングレセプション

オープニングレセプションでは南條館長をはじめ森美術館の展示に関わったキュレーターのみなさんや塩田さんのご挨拶があり、会田誠さんや日比野克彦さんなどの作家を初めとした大勢の美術関係者で賑わっていました。

友人たちとも会えて楽しい交流の場となりました。

森美術館関連情報

所在地: 〒106-6150 東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー53階
時間: 10時00分~22時00分
火曜日のみ10時00分~17時00分
この展示の期間2019年6/20~10/27
森美術館公式サイト 塩田千春展
塩田千春展前売りチケット