2020年振り返りと2021にむけて


 

2020年振り返りと2021にむけて

2020年はやはり特殊な1年となり、月ごとの記憶を遡るといつ何をやっていたのか所々記憶が抜け落ち定かではない時期があります。例年はほぼ毎週のように見て回った展示も、新型コロナの影響で見られる数は減りました。
記憶に残るのは長年行きたかった福島第一原発の見学。敷地内で福一を真近に見て周辺地域の現状を伺うことができたこと。
海外の展示は直前まで開催か中止でゆれ、継続的に作家活動をするために何をすべきか思案した1年となりました。

新型コロナによるフランスの展示の中止

2019年のフランス展示の様子

2020年も秋もEUでの展示に参加することになっていて、2020年の前半は作品制作、ドキュメントの準備や英訳など準備を進めていました。秋のシーズンは予約が埋まりやすいので、新型コロナとデモの影響を考えて、展示会場から遠くないー徒歩圏内で安全な地域を選び安い宿泊先も早めに予約もしました。7月にフランスのロックダウンが解除となり渡航が可能になりそうな気配に喜びつつも、フランスやEU圏はバカンスが必須の文化なので秋以降再び再燃するだろうとも予測しつつ状況を見守ることに。すでにビエンナーレやトリエンナーレなど大きなアートイベントは早くから開催延期を発表していました。

秋になり、パリ在住の知人に教えてもらった現地情報によると

ホテルはインターネット上で予約フォームをOPENしているけど、わずかな宿泊客のためにホテルをあけるわけにはいかないので、実際にはOPENしていないところがある。予約できていても現地に行ったらグループホテルに回されて一か所に宿泊客を集める可能性もあるので、予定した場所のホテルに泊まれるとは限らない。観光客が主なお客さんである三つ星クラスも入り口にベニヤ板を貼って閉めている。

行ってみないとわからない賭けのような状況でもありました。

展示直前にパリの感染者数が増加し、展示が本当にあるのかと何度か問い合わせをしましたが、やるという前向きな返答。しかしどう考えてもこの増加数では厳しそうに感じます。2020年の展示は現地のメディアアーティストも参加してメディアアート祭りになるはずで、個人的には期待していただけに内心では行きたい気持ちと感染増加で中止にした方が良いのではという気持ちの葛藤が大きかったのが正直な所です。

その状況下でまずFIACが中止を決定し、その後秋のフランスのさまざまな展示の中止が決まっていきました。

フランスのメディアアーティストの方とJOINしイベントもやるはずだったのでどうしても行きたい気持ちでいっぱい、ギリギリまで渡欧について模索していましたが断念せざるを得ませんでした。

今も感染者が急激に増えてEU圏内でもイギリスからの入国を突然ストップするなど、行き来を止める措置が急に決まることがあります。現地滞在中や周辺国に足を伸ばした時に突然国境が止められ飛行機が飛ばなくなるなど予想がつきません。旅先で航空券の取り直しなどが発生した場合やホテルの延長も可能な予算も必要になります。

さらに現地で罹患・発症した場合のことを考えると、しばらくの間、治療薬ができるか効果があるワクチンが開発されるまでは渡航は厳しくなるでしょう。国際的な展示参加や作品の貸し出しなどが自由にできるのは数年先かも知れませんが、持続可能な方法を模索しつつ引き続き作品制作を練磨して行きます。

WHAT CAFE 「WHAT CAFE POP UP SHOW with 100 ART WORKS」

寺田倉庫 What cafe展示参加
 
7月に新しい施設ができるのでと展示参加のお声がけを頂き参加が決定していました。パリの展示が終わる11月半ば開催の展示です。当初パリの展示が開催されるのか読めず、さらに10月の終わりに作品のプロトタイプ制作のためFab Cafeに向かう途中で骨折をしてしまうというアクシデント。予約したからとそのままFab Cafeに行きサンプルを作り帰宅、翌朝目が覚めると激痛で起き上がることもできなくなり日常生活がままならない日が数日続き、展示直前にとても困る事態になっていました。

新しい作品を展示する予定でしたが新作の点数を減らし作品の構成を変えなんとか無事展示に参加させていただく事が出来ました。とても開放的な展示場所で新たな出会いとともに、スタッフや他のアーティストの方の優しさにも恵まれた展示となり感謝しています。
(関連記事はこちらから : 寺田倉庫 WHAT CAFE展示に参加

2020年よかったこと

海外の展示に積極的に参加してきて、特にここ数年、現地滞在中は現地や周辺国のアート関係イベント・ギャラリー・美術館などをとにかく訪れました。見たかった場所に行き、相当数直接触れて目にする機会を作ってきました。2020年海外に行けなくなりましたが、時間ができたことでここ数年で感じたことをじっくり消化し異なる手段での表現を試みたりより深化させる時間となったことです。

日本と海外のアート教育もアートシーンや市場も異なることはご存知かと思います。日本の作品は技術が重視されやすく、海外では作品をどう作ったかコンセプトの作り方や、制作のためのリサーチ、ストーリーの組み立て方を重視する、、etc、、、異なる点がたくさんあります。実際に自分が現地に趣き体感してきたことがさらに深められる1年となりました。

2021年にむけて

2020年はこれまで積み上げてきたことが一時停止したような年でした。準備してきたのに身動きができないもどかしい1年でしたが、だからと言って何も進まなかったわけではありません。環境が変わったことで今までと異なる視点で感じ、新たな表現方法を試したり、本を読んだり、動けない事前提で何ができるかを考えて、次への仕込みもしてきました。(開催されるかは別として、、)展示やもしかしたらコラボも。。。

2021年も過去と同じように自由に動き回ることは難しい可能性が高いかも知れません。2020年に積み重ねた内容はすぐ表には現れないとしても、継続して積み重ねたことはいつか形として現れると信じています。

今年1年もよろしくお願いいたします