森美術館ラーニングウィークを聴講してきた

森美術館では「現代美術館は、新しい『学び』の場となり得るか?―エデュケーションからラーニングへ」と題して、2017年2月14日(火)-2月19日(日)のラーニングウィークの間、以下の特別プログラムが開催しています。

森美術館国際シンポジウム

2017年2月13日(月)
「現代美術館は、新しい『学び』の場となり得るか?―エデュケーションからラーニングへ」
ラーニングウィーク 2017年2月14日(火)-2月19日(日)

2017年2月14日(火)
トーク ラーニング・キャンプ001

2017年2月15日(水)
ペドロ・レイエス《銃をシャベルに》植樹プログラム 「N・S・ハルシャ展」関連プログラム アーティストトーク

2017年2月16日(木)
ラーニング・キャンプ002

2017年2月17日(金)
「N・S・ハルシャ展」関連プログラム 「ヨガしてアート」

2017年2月19日(日)
「N・S・ハルシャ展」関連プログラム ティーンズ・プログラム 「N・S・ハルシャ展」関連プログラム シニア・プログラム ラーニング・キャンプ003

その中で 

■2017年2月14日(火) トーク ラーニング・キャンプ001 「ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門」
(工藤安代、清水裕子、秋葉美知子(特定非営利活動法人アート&ソサエティ研究センター))

■2017年2月16日(木)ラーニング・キャンプ002 「私たちは学んでいる:美術館と実験的なアート・ラーニングのこれから」
出演:
遠藤水城(HAPS代表/インディペンデント・キュレーター)、西尾美也(美術家)、ロジャー・マクドナルド(特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト])
コメンテーター:サンドラ・シコロヴァ(テート・モダン、ラーニング部パブリックプログラム・キュレーター)
モデレーター:堀内奈穂子(キュレーター、特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト])

を聴講してきました。

ラーニング・キャンプ001 「ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門」

ラーニング・キャンプ001 「ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門」

工藤安代さん、清水裕子さん、秋葉美知子さんによるソーシャリー・エンゲイジド・アート入門というテーマでの講演です。
まずはソーシャリー・エンゲイジド・アートとはどのようなものかという定義や、ヨーロッパやアメリカなどではどのような活動があるかをスライドやサイトを見ながら実例を上げて紹介されました。

主な内容は、

リックロウが「あなたがアーティストで創造的な人ならなぜ解決策を生み出さないのか」と問われて活動を始めたエピソードや、
クリエイティブタイムのグランドゼロから光の塔を立てるプロジェクトや、
ポリティカルお化け屋敷 プロジェクトを大統領選挙直前にプロジェクト、

ヨーロッパにおけるアクティビズムを考える時忘れてはいけない

ヨゼフボイスの
芸術は世界を変える可能性を持っている
自分で考え決定、行動する

社会彫刻
の概念について、

Artist Placement Group 1966~
アートと社会の分断を取払い、社会とのつながりを積極的に働きかける実践、(アーティストを企業や行政に(就職として)配置
アーティストを組織に置ける意識の変革とアーティスト自身の変化を促す)、

 ロンドンを拠点にしている アーティストだけでなく リサーチャーや多種多様な集団、Platform

などについてです。

講演後の質疑応答では、

ソーシャリー・エンゲイジド・アートでは、そのコンセプトが重要視されるが成果物に対しての評価は?アートという点でどのように評価して行けば良いのか、などの質問が出されていました。

アーツ千代田3331では日本で初めてと言っていいソーシャリーエンゲージドアート展が開かれます。

アーツ千代田3331 ソーシャリーエンゲージドアート展

日本ではまだあまり耳慣れないソーシャリーエンゲージドアートという概念を知るよい機会になる展示ではないでしょうか。始まったら見に行くつもりです。

ラーニング・キャンプ002 「私たちは学んでいる:美術館と実験的なアート・ラーニングのこれから」

続いて、「私たちは学んでいる:美術館と実験的なアート・ラーニングのこれから」
こちらはAITの主催者の1人、ロジャーマクドナルド氏を初め

ラーニング・キャンプ002 「私たちは学んでいる:美術館と実験的なアート・ラーニングのこれから」

ラーニング・キャンプ002 「私たちは学んでいる:美術館と実験的なアート・ラーニングのこれから」02
hanare×Social Kitchen

HAPS、AITなど日本でアートの教育を行っている場と活動について語られました。

キーワードはエデュケーションではなくラーニング。「ラーニングはパーソナルな 外からやってくる物ではなく中からくるもの
大きいタームを もう少し細かく丁寧に入って行ける場」です。

なぜ教育システムが必要か? 空間の喪失ではないか。

美大で教えないという話しについても話題が出ました。確かに私も美大出身ですが、大学では制作については習う(いや、正確には自分で模索する)のですが、それ以外で抜け落ちている部分があります。

作家も社会的でありたい。パッシブではない アクティブである
キュレーターの役目が変わりアーティストも外に出てみたり

メディアも表現手法もかわり、アートに対する概念も定義付けも変化してきた現代、
アート以外の知識が交差する時代になってきてそういう要素を取り入れる時代になってきています。

「美大で習って大学で教えているけど芸大学生にこそ 読書会や基本的な学問を教える場が必要ではないか」というお話しも大学を出て活動をするようになってから痛切に感じるようになりました。

ラーニングはあっというまに終わり、短い時間の中での講演の中で、結論を導き出す事は難しいテーマであり、若干の不完全燃焼感も否めません。
もっと時間を割いてこのような場を設けて欲しいと感じましたが、
このようなイベントも、森美術館としての課題表明で意識表明であるとか。
美術館としての活動の新たな試みだそうです。次回の機会をたのしみにしたいと思います。