ブリュッセル万国博覧会のシンボル、アトミウムを訪ねて

イギリスからユーロスターでブリュッセルへ


アシュフォードからブリュッセルまでユーロスターで移動しました。アシュフォードで停車するユーロスターは日に本数が限られているようで、朝早くか夕方しかありませんでした。今回もパリでユーロスターに乗車する時のようにアシュフォードでもイギリスからの出国審査とEU圏への入国審査がありますが、パリでのイギリス入国審査時よりもスムーズに完了します。

ブリュッセル駅からアトミウムまで


ブリュッセルのBruxelles-Midiからメトロ6番に乗り換えます。Bruxelles-Midiの駅を出ると目の前にメトロへの入り口があり地下へ。Zuidstation から18 分 (12 駅)乗り、Heize駅で下車します。駅をおりるとすぐにアトミウムが見えます。駅からは公園内を歩いて5分ほど。

パリや他の地域の地下鉄はドアにボタンがありボタンを押して開けますが、ブリュッセルのアトミウム行き地下鉄はドアノブを手動で左右に引くタイプでした。知らないと開け方がわからずに降りられなくなるので、ドアを見て降りる時に遅れないように気をつけましょう。

アトミウム-ブリュッセル万国博覧会とはどんな博覧会

1958年のブリュッセル万国博覧会のシンボルとして作られました。ブリュッセル万博は現代建築と現代音楽を融合させた博覧会としても知られています。
フィリップ館ではエドガー・ヴァレーズ作曲の電子音楽「ポエム・エレクトロニク」を使った展示がおこなわれました。フィリップ館を設計したのはル・コルビュジエのもとで建築家として働いていたヤニス・クセナキス。クセナキスもデーターから電子音楽で作曲する現代音楽として有名です。

1958年のブリュッセル万国博覧会は当時のアメリカの最新の電化製品などを紹介し、新しい技術や新時代のエネルギーなどを一般に宣伝する役割も持っていました。フィリップ館ではクセナキスの現代音楽をはじめとする音と映像のイベントが行われ、ここで行われた内容がのちの大阪万博での演出、例えば大阪万博の鉄鋼館では武満と宇佐美圭司による電子音楽とレーザー光線を使った演出など影響を与えています。

日本では第二次世界大戦中に戦争の宣伝に芸術が使われた事を省みて、戦後はアーティストは政治とは距離を置いてきましたが、大阪万博では国策に芸術が取り込まれた形となります。大阪万博の例が現代の地方での芸術祭にも影響を与えている面もあるでしょう。また戦後から現代に至る市場経済の方向性を知る上でも重要なポイントの一つではないでしょうか。

ブリュッセル万国博覧会の有名なフィリップ館などは現在残っていません。アトミウムはシンボルとして公園に残されています。

アトミウムの球体の部分にはそれぞれ展示室があり、アトミウムの各球体をつなぐチューブの部分を移動できるようになっています。現在は全ての部屋が公開されてはいなくて一部の展示室となっています。

現在公開されている展示は印刷物の資料や万博当時の写真などの資料と、原子をモチーフにした音と光のデジタル(?)ショー。今見てもモダンな光の演出ですが当時はさらに未来的で夢のような輝きに見えたのでしょうか。

アトミウム展望室

展望室は展示室とは別にエレベーター行きます。アトミウム展望室行きエレベーターも20分ほど待ちましたが、展望室からはブリュッセル市内が一望できて良い眺め、待ってでも登ってみる価値があります。

ブリュッセルからタリスでパリ北駅に

帰りはメトロHeize駅からZuidstation へ同じルートを移動し、タリスでパリに戻りました。早い時期に安い時間帯のチケットを予約したのでブリュッセル〜パリ間の料金は29ユーロ とお得な価格、パリからもタリスを利用して日帰りで行くことができます。ブルージュなどもあわせて1泊しベルギー小旅行も楽しめます♩