パリから日帰り【世界遺産ストラスプール】行き方と見所
ストラスプールの歴史
ストラスプールはフランスとドイツの国境にある世界遺産に登録された都市です。歴史は古く3Cにローマ人によって築かれ「アルゲントラトゥム」Argentoratumとよばれたローマ領でした。
1697年にレイスウェイク条約によりフランス王国の領域に入り、フランス語風にストラスブールと言われるようになりました。第二次世界大戦でも独仏戦の戦火にあい、1940年にドイツによって自国領とされ、1944年に連合国が奪還した歴史があり、第二次大戦後は「ヨーロッパの歴史を象徴する都市」として欧州の主要な国際機関が置かれるようになりました。
1988年、イル川の中洲にあるアルザス地方の様式を残した旧市街がユネスコの世界遺産に登録されました。ストラスプールの対岸にはドイツの都市ケールがあり、シェンゲン協定によってパスポートチェック無しで自由に行き来することが可能です。
パリからストラスプールへの行き方、チケットの買い方
パリからストラスプールへはパリ東駅からTGVの直行便を利用し2時間弱です。私は日本からインターネットでTGVのチケットを予約しました。直接予約を試みたのですがどうしても決済が完了できずレイルヨーロッパのサイトを利用しました。
日本では距離により値段が決まっていますが、ヨーロッパの鉄道は時間や買う時期により値段が変わります。安い便は売り切れてしまうので早めの予約がおすすめ。予約が完了すると登録したメールアドレスにバーコード付きのチケットが送付されます。
パリ東駅のホームに入るところに検札機がありバーコードをかざして乗車します。
TGVって結構車両数が多くてこの列車は18両編成でした。たまたま改札から2両目だったのでよかったのですが、指定された車両が一番遠い場合かなり乗車まで時間が必要で走ることもしばしば、早めに乗車しましょう。
街のターミナル駅となるストラスブール駅。この駅の特徴は近代デザインと古い建物が融合していて、1984年に歴史建築物に指定された古い駅舎をガラスで覆っています。これはジャン・マリー・デュティヨール氏の設計で2008年にブルネル賞を獲得しています。なんとなく安藤忠雄さん設計の上野の国際こども図書館を思い出しました。(国際こども図書館も古い建物と同じデザインの新しい素材を使った部分を融合させガラスで覆っているふるさと新しさを融合した空間です)
ストラスプール観光
ストラスプールの落ち着いた街並みで治安は良さそうです。ここで代表的な観光名所をご紹介します。観光にかかる日数ですが。この6箇所は1日で回れパリからの日帰り観光も可能です。国境を超えてドイツ側にも行って観たい方やもう少しじっくり観たい方は1泊して2日程度の観光日数を取るといいでしょう市内にはトラムもあり移動も便利です。
1 プティット・フランス
「プティット・フランス」はアルザスの伝統家屋が密集した地区でユネスコの世界遺産に登録されています。旧市街の西南部、イル川の支流が合流する地域に位置する6~17世紀頃に建てられたアルザス独特の木骨組の建築群です。白い壁と黒っぽい梁が特徴で黄色やピンクなどの壁のコントラストが可愛らしい町並みと、川に反射する美しい川沿いの景色は散歩コースに最適です。思わず何枚も写真を撮ってしまう美しさ。レストラン、カフェなども多く川を眺めながらの食事もおすすめ。
川に映る建物が綺麗。川沿いの散策コースをのんびり歩くだけでリラックスした気持ちになります。
2 ストラスブール大聖堂
ストラスブール大聖堂12~15世紀にかけて建てられたゴシック様式の大聖堂で、原材料のボージュ山脈の石の色/ほのかなバラ色(赤褐色)が特徴です。細かい彫刻も見応えがあります。
クリスマス時期にはストラスブール大聖堂前のクリスマスのデコレーションが有名です。中はステンドグラスも有名で光がとても美しい空間に、高さ18メートルもある世界最大級の天文時計の重厚な作りも目を楽しませてくれます。
塔の最先端は地上142メートルの高さで遠くからも一際目立つ建物です。
この塔の上に登ることができるので登ってみました。らせん状の階段をひたすら登ります。結構足が辛く上に行くにつれて足が止まります。でも登ってよかった!最上部からはストラスプールの街並みが一望できとても美しい景色を堪能できました。
登り始めから降りてくるまで20分程度、待ち時間が20分ほどだったので所要時間は40~50分程度でしょうか。
住所:Cathedrale Notre Dame de Strasbourg, Place de la Cathedral, 67000 Strasbourg
内部一般公開:8:30~11:15、12:45~17:45(日祭日は13:30~17:30)
アクセス:ストラスブール中央駅より徒歩18分
http://www.cathedrale-strasbourg.fr/english.aspx
3 ロアン宮殿
18世紀のストラスブール司教ロアンが使用したロアン宮殿はノートルダム大聖堂の正面に位置します。1階には装飾博物館があり17世紀から19世紀にかけての当時の室内装飾ひんや工芸品が展示されていて、絵画や装飾が施された宮殿の室内とともに見学することができます。
小ぶりな建物ですが中は豪華な作り、窓からはノートル大聖堂とイル川が見え、季節の移り変わりが楽しめそうです。当時も宮殿からの眺めは美しいものだったのでしょう。地下には考古学博物館があり旧石器時代から8世紀までの考古学コレクション、2階には17世紀から19世紀にかけての初期フランドル絵画からルネサンスの作品を展示しています。
また、ロアン宮桟橋からは遊覧船観光ボートツアー「バトーラマ(BATORAMA)」が出ています。イル川と運河をめぐりプティット・フランス、ノイシュタット(新市街)、サンポール寺院、欧州連合地区、ストラスブールの名所を船に乗りながら巡ることができます。
4 要塞「ヴォーバンダム」
近代美術館とプティット・フランスの途中のイル川にかかるダム、要塞「ヴォーバンダム」です。ヴォーバン元帥が設計し、橋だけでなく川からの攻撃を防ぐ要塞としての機能も果たしてきました。この橋を渡ることができます。橋からはプティット・フランス側の景色も見えて歴史が感じられます。
名称:ヴォーバンダム(Barrage Vauban)
5 ストラスブール 近現代美術館
1998年に一般公開されたストラスブール近代現代美術館(MAMCS)は、1870年(明治3年)から現代のアーティストの18,000点以上の収蔵作品があり、ストラスブール生まれのギュスターヴ・ドレ(Gustave Doré)やハンス・アルプ(Hans Arp)のコレクションが充実しています。
AFAアーキテクチャワークショップ、Adrien Fainsilber and Associatesによって「明瞭さと解放感」をコンセプトに設計されたモダンな建物が印象的な美術館です。建物内部には大きな身廊があり左右に展示室が配置されています。大きな展示スペースに近現代美術の常設展と企画展が行われている他、講堂、書店、図書館、レストランなどの設備も。
向かって左側の常設展では、日本でも人気の高いフランス印象派の作品が楽しめます。2階の現代芸術の展示室の向かいには、旧市街を一望できる「アール・カフェ(Art Café)」があります。
6 グーテンベルクの彫像がある広場
大聖堂からクレベール広場に向かう途中の広場。広場の名前の「グーテンベルク」はドイツの金属加工職人ヨハネス・グーテンベルクから
つけられたもの。広場にはグーテンベルクの銅像/ゴシック建築の市役所も見どころです。
名称 グーテンベルク広場(Place de Gutenberg)
ストラスプールオススメのお土産 MAISON ALSACIENNE DE BISCUITE のアルザスマカロン
マカロンと言えばアーモンドを練りこんだ生地にクリームを挟んだ色とりどりのお菓子のイメージが強いのですが、アルザス地方のマカロンは一見するとクッキーのようです。実はこの生地はココナッツ入りで口に含むとココナッツ独特の歯ごたえがありクッキーのような見た目と違い柔らかいのです。これはイタリアからフランスに伝わったマカロンの原型に近い形をしていているのだそうです。MAISON ALSACIENNE DE BISCUITEはストラスプールを始めこの地方に数カ所ショップがあります。
私はアルザスに留学経験がある友人の一押しでアルザスマカロンを購入しましたが、病みつきになりました。パリでは滅多に売っていないのでこの地方に行った時には是非買ってください。
フレーバーの種類もたくさんあって、レーズン入りやビスタチオのマカロンもあります。詰め合わせは大きさにもよりますが15ユーロぐらい。楽しんでみてください。
https://www.maison-alsacienne-biscuiterie.com/fr/49-macarons-de-riquewihr