パリ郊外の現代美術館【MACVAL – ヴァル・ド・マルヌ現代美術館】に行ってきた
MAC VALとは
ヴァル・ド・マルヌ現代美術館(MAC / VAL)は、パリ郊外ヴァル・ド・マルヌのヴィトリー・シュル・セーヌの自由広場に面して建つ現代美術館です。
2005年にオープンし、1950年代から現在までの現在美術作品を収蔵しています。
美術館の建物は建築家のジャック・リポーが設計し、床面積は合計13,000㎡の広さがあります。(常設展示用の2600㎡、以外に研究センターや保管室とワークショップ用スペース、150席の講堂と映画館、10,000㎡のパブリックガーデンなど設備も充実しています。
MAC VAL美術館には、アルマン、ヴァレリーベリン、ダニエルビューレン、クロードクロスキー、ウジェーヌドデイニュ、エロー、ハンスハルトゥング、ピエールホイゲ、ヴァレリージューブ、フランソワ・モレレット、マリーレン・ネグロ、オーラン、ブルーノ・パーラマント、ドミニク・ペティガンド、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、フィリップ・ラメット、ジュディ・レイグル、ピエール・スーラージュ、ジャン・ティンゲリー、
ジャン・リュック・ヴィルマスなどの作品がコレクションされていて、パリの美術館の中ではパレドトーキョーと並んで現代作家の作品を見ることができます。
MAC VALへの行き方
MAC VALはパリから南の郊外に位置しています。地下鉄の最寄駅はないため必ずバスに乗る必要があるようです。
パリ市内からのルートはいくつかありますが、私は地下鉄7+バスのルートで行きました。
メトロ7号線のVillejuif行き終点の Villejuif – Louis Aragon で下車し172番バス(Hôpital Henri Mondor)で3駅目のMAC VAL Museumで下車します。このルートにしたのはバスの乗車が一番短かったので土地勘がなくてもわかりやすいのではないかと。低所得者層や移民層の住民が多いと思われる地域の印象を受けました。
MAC/VAL前のバス停留所交差点には巨大なジャン・ドゥビュフェの彫刻があり目印となります。駅を降りると改札前にMAC VALの案内がありました。この案内に従いでた出口の並びにバス停があります。(道を渡った駅側のバス停は反対方向行きなので気をつけてください)
バスには地下鉄と同じチケットで乗れます。バスの入り口に写真のような検札のboxがあるのでここにチケットを入れて乗車します。地下鉄のチケットをまとめて買って置くと便利です。降りるときは降車駅の前で降車ボタンを押せばOK、これは日本と同じですね。バス停を降りるとすぐ目の前にMAC VALがあるので道はわかりやすいです。
MAC VAL現在の展示
入館料は5ユーロとパリ市内の美術館の中ではお安いお値段です。入るとすぐピエールスラージュの作品が。ペロタン東京のオープニングを飾っていましたが、フランスを代表する作家です。展示は« Persona grata ? »、移民問題をテーマにした構成です。
MAC VALは地下鉄とバスを乗いついでいく立地のためか?人も少なくゆっくり見られました。
GözdeIlkin ゲズデ・イルキン は、共有ガーデン、コミュニティおよびテリトリーの概念に焦点を当てて、自然に関する研究を発展させました。ルーツのネットワークとして組織化された個人的および集合的な物語を発見し、各絵画は、記憶の場所、親密で個人的な地図、共有された創造のプロセス、贈り物、記憶、アーティストの宇宙の共生です。プライベートとパブリックの個人的および社会的領域を結びつけて、相互エネルギーでの自然と人間の変容のプロセスを強調しています。
「ペルソナグラタ」 MAC VALと国立移民歴史博物館の2つの博物館で2018年10月から2019年1月にかけて展示されたのが最初の展示です。2019年9月に部分的に更新されたこの展覧会では、コレクションの歴史的作品と最近の買収をまとめた100以上の作品が今回展示されます。
最初に「ペルソナグラタ」が普遍的で人間的な概念を擁護した場合、コレクションの第9回展示は、現代の問題の主題としています。
アルゼンチン人アーティスト、ヒューゴ・アヴェタは、展覧会「ペルソナ・グラタ?これは、もてなしのテーマに疑問を投げかけます。
このインスタレーションは、大きな断層の中心で弱体化した大きな木製の橋の形をとり、この構造のすべてのパラドックスと不安定なバランスを明らかにしています。橋は、2つの地理的な場所、2つの人々、2つの文化、または2つの存在間のリンクを表現しています象徴的に、それは繋がりと区切りを示し、遷移と変換を表します。ヒューゴアヴェタは、物質と障害をテーマに作品を制作しているそうです。 この作品で、彼は力、闘争、不確実性、リスク、失敗だけでなく、夢と希望も、もろく揺れながら立っていることを指摘しています。
崩れそうで崩れていない、しかしつながりを保ちつつも焼け焦げた素材が不安定な関係性を表しているようです。大きな作品の下にいると崩れている部分が自分に覆いかぶさってくるようで、作品と自分 – 2つの存在と自分の関係性も考えさせられました。
Nil YalterはビデオRis-Orangis(1979)で、首都の端に住むポルトガル人労働者の調査を実施し、統合の難しさ、亡命感、社会的降格を証言しています。3つの短編映画を撮影し、彼らが住んでいる都市を調査し、自分たちの物語を語り、楽しみ、反乱を形作る政治的言説を生み出します。
MAC VALのミュージアムカフェ
MAC VALのカフェは美術館から一旦外に出て庭を通り入り口に。コースとカフェメニューがあるようで、私はキッシュとコーヒーを頼みました。
窓から美術館の庭を眺めながら食事をいただきます。天井高めで落ち着いたモダンなインテリアのカフェでした。