ダンジェネス海岸に広がる小石の浜と打ち捨てられたものたち
ダンジェネスは漁業の街だったそうですが、ダンジェネス原発ができて漁が行われなくなり廃墟のような小屋が残っているそう。錆びた漁船のエンジンや網などが荒涼と広がる大地にぽつんぽつんと存在しています。映画でも見た風景、、
ダンジェネスのビーチは砂ではなく一面の小石でした。足元をよく見ると小さく穴が空いているものもあります。風化して穴が開くようです。この穴が貫通している石を拾うとラッキーという話を聞き穴があいた石をたくさん集めてみました。
海から虹が登る
何気なくダンジェネスの海を見ると、海から虹が出ています。こんな広大な海とドラマティックな空の間に虹まで出て神様がプレゼントしてくれたのかと思うほど美しく驚きでいっぱいでした。旧約聖書の創世記ではノアに神がもう洪水で人類を滅ぼすことはないと啓示としてしるしたのが虹でした。西洋絵画のattributeでも神との橋渡しなどの意で使われ、とても神秘的な印象を抱きます。この虹はきっと吉報でしょう。
日が暮れる前に帰ろうと思い17:09のバスで帰る予定でいましたが、虹に見とれていてバスを乗り過ごし最終のバスに乗る事になりました。でもバスに乗り遅れたおかげでさらに美しい景色と出会う事になりました。
まるで天国、夕焼けに染まる空と海と空気
アシュフォード行きの最終バスまで1時間半時間ができてしまい、さてどうしようかと思案しながらとりあえずフィッシュアンドチップスでお腹を充したあと、海岸に向かう家族連れを見て私ももう一度海岸に向かい景色を楽しんでいました。
ドーバー海峡の先にあるだろう地に思いを巡らせながらダンジェネスの海を見ていると少しずつ少しずつ太陽が傾き、雲の色がピンクに染まり始めました。レストランの近くの海が遠浅になっていて鏡のように空を映し出し、雲のピンクを反射させて空も海も赤く世界がバラ色に。
本当に夕暮れに向かうこの短い時間言葉を失うほどの絶景で、何これ信じられないと一人呟きながらシャッターを切ります。
この遠浅の海もザガーデンで使われていた海です。こんな美しい場所であの映画は撮影されたのだと息を呑みました。
時期に寄って違うのかもしれませんがこの夕暮れは天国にほど近く幸せだと感じさせてくれました。ダンジェネスには原発があり荒涼としながらも大地を掴み息する草花がありこの美しい景色があり、どこか死とともに天国も感じさせるようで、デレクジャーマンが最後にダンジェネスを選んだのはこの景色の為だろうかとも考えました。
予定が許すのであればダンジェネスで一泊しもっと探索したい所です。ここで夜星を見上げたらどれだけ美しい事だろうかと想像するだけでため息がでます。
完全に日が落ちて地平線が赤くそまったのちに最終バスが到着。今度は直通で夜道をアシュフォードに戻ります。前日満月だったため空にはまた見た事もないような赤く大きな丸い月が登り始めていて、奇跡のような景色の連続に言葉もありませんでした。
帰りのバス停はフィッシュアンドチップスのレストランのほぼ向かいにあります。これはデレクジャーマンも絶賛したフィッシュアンドチップスだそうで、本当に美味しかった。バスを待ちながらテラスの景色も楽しめるレストランでした。
ダンジェネスまでの道のり
【デレクジャーマンの庭を訪ねて-1】パリからダンジェネスへ
プロスペクティブコテージ
【デレクジャーマンの庭を訪ねて-2】プロスペクティブコテージの哲学的な庭